梅雨が明けたら

 もうすぐ夏本番である。冬と違い、夏はなぜか心が踊りだす。気温が高いと、人間を解放的にするのだろうか。それとも、夏休みがあるからだろうか。いずれにせよ、眩しい太陽と青い空、そして入道雲を見ているのは気分がいいものである。
 夏、外が晴れていると、私はどうしても海へ行きたくなり、屋内で仕事などしていられなくなる。これはオンライン古書店にとっては、危険な季節である。ホームページへの出品作業は以外と手間と時間がかかるのであり、長時間パソコンの前に座っていなければならない。梱包作業も意外と時間がかかる。それなのにもかかわらず、自分で自由に時間が使える為に、海への誘惑に負けてしまいそうなのである。
 まだ横浜は梅雨が明けていない為、それほど快晴の日は多くないが、梅雨が明けた頃が恐ろしく思える。仕事が手につけられなくなるのもそうなのだが、余計な出費がいちばん恐ろしい。まだ当店は満足するほどの売上がない為、できるだけ出費を抑えなければならないのである。最上の策は、少しでも売上を伸ばして、海へ行く余裕をつくることであるのだが、過去の売上データから判断するには、前月よりマイナスの月はないものの、伸びは少しずつであり、急激な売上増は望み薄である。急激に伸びたとしても、翌月の反動が怖い。じわじわ売れるのが堅実な商売であるから、このままじわじわの方が長い目で見ればよっぽどいい。とにかく、今年の夏は、海も旅行も我慢しなければならなくなりそうである。
 まあ、いい。今年の夏は、しましまブックスに命を賭ける。自分が好きな本を商売にできるだけで、本当は満足なのであり、幸福であるのだから。