一本の木

 我が家の道路際に一本の木が生えている。木の学名まではわからないのだが、知らない間に生えていたという野生の木である。その成長するスピードがものすごく、あっという間に道路まで突き出てしまい、これでは交通の妨げになるということで、主要な枝をのこぎりで切り落としたのが今年の二月頃なのだが、夏になり、以前にも増して青々とした葉をつけ、枝もいつの間にか成長していた。また切り落とさなければと木に近づいてみると、その逞しい成長力に圧倒されたというか、木から凄まじいまでの圧力を感じて、どうにも切る気になれないのだ。
 神社などには、御神木というものがあるが、この木をしましまブックスの御神木にしようか。この木の成長力にしましまブックスも肖りたいものである。