今の時代を生きるには

 OECDの報告によると、日本の貧困層が拡大しており、先進国では2位であるという。一昔前までは、日本型社会主義などと言われて、中流階級が分厚かったはずであるのに、バブルが崩壊して、失われた10年を経て今になってみたら、このザマだ。ゼロ金利政策が解除されたが、95年からの10年間で、計14兆3000億円ものお金が家計から失われたらしい。結局儲かったのは銀行とリストラを進めた大手企業だけ。これでは貧困層が拡大するのも当然だ。私は経済が専門ではないので、この「貧困層」の基準がわからないのだが、もしかしたら、しましまブックスも貧困層に入るのかも知れないと思うと、少し憂鬱になる。
 しかし、どこかの国に比べたら、まだまだいい方で、セレブがどうの、IT企業の社長がどうの、株取引がどうのと騒ぐマスコミに惑わされては、自分が惨めになるだけであり、このような時代を生きるには、自分の考え方を変えるしかない。最低限食べていければいいのであり、あとは自分の考え方次第で人生はいくらでも楽しくなるし、充実する。古本屋は労力のわりに儲からないし、実際は潰れている古本屋の方が多いぐらいで、今の時代は本当に本が売れない。しましまブックスも例外ではなく、ギリギリの生活だ。しかし、本が好きではじめたのだし、本に囲まれて色々な本を眺めていると楽しいし、また、インターネットラジオや動画の配信など馬鹿なことも、自分ではそれなりに楽しい。それだけで、充分ではないか。要は、お金がなくても工夫次第でいくらでも楽しくなるし、充実するということだ。
 しかし、今以上に古本屋が食べられなくなったら、これは日本の文化水準が最低限になったということだろうから、クーデターを起こすしかないけれど。