事業展開を考える

 商品を仕入れて販売する。これは古本屋に限らず、小売業はどこでも同じことであろう。そう大まかに考えると、意外とシンプルな仕事である。しかし、それを繰り返すだけでは成長がない。趣味で行っているだけならそれでいいかも知れない。しかし、―私は本が好きというそれだけで古本屋をはじめたわけであるが―それで生活をしなければならず、現時点に留まっているわけにはいかない。古本屋といえどもひとつの事業であると捉えるならば、やはり今後の事業計画を考えなければならない。
 当初、組合の加入は今年の秋頃から年末頃を考えていたわけであるが、七月に加入し、計画を前倒しした。その分、次の計画も前倒しして着手しなければならないのだが、その肝心の次の計画を考えていなかった。そこで、是が非でも考えなければならない。
 その事業計画を考える上で、唯一の条件は資本がいらないということである。資本があれば何でもできるが、その資本がしましまブックスにはない。要するに、お金がかからないことで、新たなる展開を考えなければならないのである。これは、意外と思い浮かばないもので、逆立ちをして考えてみたが、何も思い浮かばない。考えようとして考えても、おそらくは妙案は浮かばないのであろう。よく芸術家や小説家などが作品を創るときに、「神が降りてくる」というが、まさに、私にも古本の神が降りてくるのを待つしかないのであろう。