インターネットの十代利用増加を考える

 インターネット利用者のうち、十代や中高年の占める割合が増えているという。これは、インターネットで商売している人間として、とても気になることである。早速、塾講師のミスターに電話で尋ねてみると、確かに、調べものをする時にインターネットを利用する小学生が増えたという。
 一見すると、ITが低年齢層まで普及して素晴らしいことのように思えるが、しかし、そこはITである。無数に在るサイトのうち、どれだけの数が真の情報を伝えているだろうか。小学生に情報の真偽が判断できるのだろうか。私は疑問である。無論、テレビや新聞など、非ITの情報であっても真偽を峻別する力が必要であり、私も含め、大人が過去どれだけの情報操作を見破れずにきたことであろうか。我々大人が情報の真偽を見破れずにいる状況で、それよりも明らかに見識の浅い小学生が、インターネットで気軽に情報を得るというその行為とその結果を私は恐ろしく思う。デマやプロパガンダに無抵抗の人間が量産されてしまう気がしてならないのだ。
 情報を得るには、やはり自分自身の目で確かめ、自分自身の心で感じて、自分自身の頭で考えるという、一連の流れが必要なのであり、その為の知識と経験を身につけなければならず、むかし気質の刑事ではないが、やはり足を使って身体で知るということが必要なのではないか。その修練の時が小学生時代や中学生時代であり、安易にインターネットだけで情報を得て、それで満足して欲しくないのである。本当の「知る」ということを覚えてほしいのであり、そこには、インターネット以上にもっと素晴らしい世界が待っているはずなのである。