成人式の思い出

あの頃私は成人式にあまり興味がなく、成人の日はアルバイトをしていた。丁度その日は大雪が降っており、その為、店を途中で閉めるということになり、突然暇になってしまったので、雪の降る中、雪対策用に履いていたゴム長姿の小汚い格好で式場へ行ってみた記憶がある。皆、晴れ着やスーツ姿であり、自分ひとりが普段のままの小汚い格好である。みじめな気分になったが、雪で足元が滑り易くなっており、晴れ着姿の女性がスッテンコロリン、幾人も転ぶ姿を見て、ニヤリとしていた。
入り口まで行くと、小汚い格好でしかも招待状も持っていなかった為、成人とは思われずに入場を断られそうになったが、偶さか友人を発見した為に何とか入場することができた。式は形骸化していて退屈なもので、どのような式だったか記憶にない。CDケースが記念品として配られたような記憶があるが、これも薄っすらとした記憶で確かではない。
そして式の後に友人と酒を飲んだ。成人式の思い出と言えば、そのぐらいしかなく、私の人生の中ではたいした思い出ではない。成人の日を境にというわけでもなく、いつの間にか大人になっていたという感じである。
近年の成人式は、荒れる成人式としてニュースになっているが、年齢を基準にして誰しもが成人になってしまうから未熟な振る舞いをする人がいるわけであり、成人式ではなく、聖人式として、聖人以外は成人と認めないようにしてはいかがであろうか。そうなると私は成人になれないのだろうな・・・・。