呑んでいた間に

 土曜、日曜、そして月曜と深夜まで能天気にお酒を呑んでいた間に、いつの間にか中東情勢がきな臭くなってきた。
 イランは英国軍の兵士を領海侵犯ということを理由に拘束したり、米英に対して挑発を繰り返している。パレスチナは、イスラエルに対して、イスラエルが到底のむことができない要求を突きつけている。もはや、いつ開戦してもおかしくない情勢になってしまった。4月開戦説があるが、4月に開戦しなくても、秋あたりまでの非常に早い時期の開戦が濃厚になってきた。無論、戦争を回避しようと努力している人達もいて、戦争が回避されることを祈るばかりである。
 古本屋にとって、中東の戦争は対岸の火事では済まされない。今現在、原油の価格が戦時下の値段にシフトを移しつつあり、当然戦争が始まれば、ガソリンの値段は上がる。出張買取の場合、重たい本を大量に車で運ぶため、ガソリンの減りがはやい。航空会社のように、オイルチャージをいただくわけにも行かず、我がしましまブックスにとって厳しくなることは間違いない。古本屋に限らず、運輸業、製造業など多方面に影響が出るのは必至であり、世界的なバブル崩壊と重なって、未曾有の不況となる可能性も捨てきれない。その場合、もはや生活すら危うくなってしまう。
 未曾有の世界恐慌に備えて、今から庭先に家庭菜園でもつくって、何か栽培しようかしら、野良仕事も悪くないな、などと考えていたら、何故だか楽しくなってきた。「しましま農園」なんてちょっと素敵な感じがする。かぼちゃをつくろうか、さつまいもをつくろうか、スイカは気候その他の条件で育てることが難しいのかな、その前にそんな栽培できる庭がないじゃないか・・・・・。結局、先のことを考えて、暗くなっても仕方がないのである。一応しましまブックスと云えども企業であり、経営と言えるかはわからないが、経営と仮に言うならば、経営していると常に最悪のことと最高のことを考えてしまう。とにかく、暗くなっていても仕方がない。今できることをひとつひとつこなすだけである。だから今宵もお酒を呑むしかない・・・・。