恐慌は始まっている

 米国のサブプライム問題が発端となって始まった今回の株安。6月14日の『新しい企業像』というタイトルのこの日記の中で、「もうすぐ、世界的なバブル崩壊が起こる」と私は書いた。少し注意して、世界の情勢をウォッチしていれば、すぐにでもわかるのである。
 もうひとつ、今回でわかったことがある。こういった危機的な状況になった時に、先頭に立ってリーダーシップを取る人間が、現在のところ日本にはいないということだ。株安の初日か次の日ぐらいで、財務相は「サブプライム問題の山場は越えた」などと、本当にとぼけた談話を出した。本当に驚くべきコメントである。影響が出るのは、その後であろう。実際その後も下げが止まらなかったではないか。そして、急激な円高である。有効な政策をうち出すことなどできないのだ。おそらく今の人材では、大量に資金供給することぐらいしかできないのであろう。そして、既に始まっているインフレとなるわけである。
 株を保有していない人は、今回で直接の損は出ないものの、信用収縮という言葉も出ているほどで、今後実生活に影響が出ることは必至である。株安、円高、インフレ(ハイパーインフレかも?)、そしてエネルギー資源の高騰と、これは単なる株安だけに収まらず、実は恐慌の始まりなのだ。私たちは、既に恐慌の入り口に立たされているということを認識しなければならない。どのぐらいの期間で実生活に影響が出るか明言はできないが、過去の例にない、早いペースで襲いかかってくる可能性が高い。そして、頼れるリーダーは日本にはいない。今のうちに、動ける時に自分自身で動いて、来るべき明日への準備をしなければならないのである。