アルバム

 家に所狭しと散乱している本を漁っていたら、自分がそのむかしに撮った写真のアルバムが出てきた。全て銀塩カメラで撮ったものである。プリントも手軽になったデジタルカメラ全盛の現代よりも、銀塩カメラの時の方が、私は写真を多く撮っていたのであろうか。いや、私はむかしからほとんど写真を撮影するということをしていなかったはずだ。
 しかしながら、アルバムの写真はひどいものが多い。よくこのようなものを残しておいたと思う程である。そして、パラパラとページをめくっていたら、大体の写真に自分が写っているのである。と、いうことは、自分が撮影したものではないということになり、誰かが撮影したものをいただいた写真なのである。
 ひどい写真と前述したが、撮影者の腕がひどいと言ったのではなく、被写体である私がひどいのである。酷い、という言葉よりも醜いという言葉の方が合っているかもしれない。何故かと言えば、大半の写真がどこかの飲み会の写真で、私が酔っ払っている写真なのである。写真を眺めていて、数年前までは酒を飲むだけでここまで騒いでいたのだなあ、と不思議に感心してしまったが、このような失態を誰かに見られては困るので、厳重に封印して、蔵匿した。一般に公開されるのは2040年を待たなければならない。