ありがたや

 基本的にお酒は外でしか飲まないようにしていたのだが、(というのも、家で飲んでしまうと、一日中飲んでいるようなことになってしまう気がして控えていたのである)先日とても上等なウィスキーをいただき、ありがたや、ありがたやと拝んでいたのだが、いよいよそれを飲もうということになった。
 家での場合、素敵な映画を見ながらお酒を飲むのが私にとって一番の飲み方なのである。ウィスキーは、ストレートかロックでなければならない。そして、お酒が上等な場合は、映画も上質のものでなければならない。この映画の選択は意外と難しく、レンタル屋でかなりの時間悩むのであるが、結局出演している俳優で決めてしまう。俳優がよければそれでとりあえずはいいのである。
 お酒を飲みながら映画を見ると、その映画の主演女優のことがとても愛おしくなる。翌日、その印象だけは頭の中に残っているので、再度その作品を見てみるのだが、意外と普通の女優でがっかりしたりする。
 せっかく上等なウィスキーをいただいたのだから、今回はチビチビ飲もうと、心に決めていたのだが、上等なものはとにかく後味がいい。後味がいいから、とにかく飲んでしまう。あっという間に、瓶が空になってしまった。いただきもの、ありがたや。