断食をして

 最近何故か体調のよくない日々が続いていた。それでも、します、仕事。それは、いいとして、とにかく胃腸の調子が悪かった。それで、なんとか体調をよくしなければならない。原因はおそらく暴飲暴食にあり。とりあえず、二日ばかり断食。何年ぶりかに断食をしてみると、色々と気づくことがある。まず、食事のありがたさ。普段はなんとも思わないものだが、米の一粒一粒まで神々しく見えてくる。しかし、断食祭り実行中で、食べることができない。なんて辛いことだったろう。そして、これまた、あたりまえに思いすぎて、ありがたくもなんともなかった、逆にできるなら避けたいという気持ちになっていた、ファミリーレストランや牛丼屋がとても愛おしく見えてきて、なんと自分は今まで贅沢だったのだろうと感じてしまう。簡単に安く食事ができるありがたさを私は忘れていたのだ。それに、普通に食事ができる、美味しいと感じることのできる健康のありがたさ。断食をしてみるとわかる、この世の中のありがたいことだらけなこと。あらゆる自然の、そして宇宙の恵みとでも申しましょうか。
 あたりまえと思っている普段の行動や行き方を少し変えてみると、感じていなかったことが感じられるようになる。断食をしてみて、わかった。視点を変えて物ごとを考えるだとか、物ごとを客観的に見てみるだとか、そんなことをしてみても、きっとわからない。身体で感じないとわからないことが、人生に、世の中にはある。
 人は、よく悩む。それは、皆、頭で考えているだけのことが得てして多い。自分で勝手に考えて、想像して、恐れ、不安などを抱えてしまう。古本屋などという商売をしていると、本を読んで、その情報だけを得て、知った気になってしまうことが多々ある。確かに情報収集や勉強も大事なことで、それは、きっと何処かで役に立つことであるとは思う。知識や知恵は便利な七つ道具とでも申しましょうか。けれども、やはり、身体で感じることこそ、本当に「知る」ということなのだ。だから、悩んでいる人は、頭の中で勝手に「知る」ことをして悩む前に、実際に身体で知ることから始めた方がいい。そうすることによって、本当の何かが感じられるようになる。情報よりも、きっと身体で感じることこそ、最優先のものなのだ。でも、古本は買ってくださいね・・・・、矛盾しているかな?否、一度は店舗に遊びに来て、身体でしましまブックスを感じてください。あらま、なにか宣伝になっているような・・・・。