動画撮影秘話
先日、しましまブックスTVにて『しましまブックスが行く!文学碑探訪 第2回「大佛次郎記念館」』を配信した。動画の配信など古本屋らしからぬことを行っているのだが、これは、普通に古本を売っていてもつまらないし、また、お客様も本を探すため、普通にホームページを見るだけではつまらないであろうと思い、スタートしたのである。いわば、楽しむ、そして、楽しんでいただくためにはじめたのである。したがって、「また、しましまブックスがアホなことをやっている。プププッ」と笑っていただければ十分なのである。
撮影は知人の村川氏にお願いしているのだが、撮影前にあらかじめ番組の構成を考えておかなければならない。そして、それを村川氏に指示して、撮影が始まるわけである。私が勝手にひとりで喋るわけだが、インターネットラジオと違って、セリフを覚えなければならない。あまり頭が良くない私は、自分で考えたセリフが覚えられずに何回もNGを出してしまう。しかも、通行人は、「この人、何をやっているのだろう?TV局でもあるまいに」という奇異のまなざしを私に向け、だんだんと恥ずかしくなってしまう。この羞恥心、第一回の直木三十五の時はかなり強くあり、困ったものだったが、今回二回目となり、慣れたせいか、ほぼ羞恥を感じることもなくなってしまった。
そして、撮影はハプニングもある。今回の「大佛次郎記念館」では、ラストの猫が出てくるシーンは当初構想になかったのだが、私が休憩していると、どこからともなく猫が現れて、私の足のまわりをぐるぐるまわり、すり寄ってきて、私の横の花壇の縁に寝そべってしまった。そして、まったく逃げようともせずに、私の傍に居続けたので、これは好機とばかりに撮影したのである。撮影はこのような意外性もあり、その後の編集は大変だが、制作していてとても楽しい。
しましまブックスにも一応、営業をして行く上での判断基準があり、そのひとつは楽しいか否かということである。他の企業は利益になるかどうかが判断基準となる場合が多いが、当店はその真逆を行くのであり、損をしてでも楽しさを追求するのである。扱っている古本が真面目なものが多いため、このぐらいはお愛嬌で、といった感じなのである。
今後も不定期ではあるが、動画もネットラジオも続けて行くつもりであり、また楽しい企画があれば、インターネットに限らずリアルでも行いたいと思っている。