直感について

 物事を進める時や行動を起こす時、必ずと言っていいほど、タイミングというものがある。経営者などはこのタイミングをいかに見逃さずに決断するべきか、問われるわけである。また、経営者だけではなく、我々一人ひとりにも、あらゆる人生の選択を迫られたシーンでは同様である。同じことを行うにも、タイミングの善し悪しで勝敗が決まることさえあり、決断にはタイミングというものが重要な要素になるわけである。しかしながら厄介なことに、タイミングというものは、その只中にいる時よりも、後になって振り返って、「あの時はタイミングが良かったなあ」などと思える類のものである。
 このタイミングという目に見えないものに頼りたくはなく、根拠がほしいために合理的な分析で決断を下すやり方もあるだろう。しかし、合理的な根拠に基づいた決断でさえ、結局は決断をした時期などのタイミングに左右されてしまうのは間違いなく、合理的な判断だけでは、物事はうまく進まないのである。
 タイミングを見計らうには、その時の直感しかなく、それは自分自身の内なる声にじっと耳を澄ませることに他ならない。自分自身の感性と言ってもいいだろう。重要な決断を下さなければならない時こそ、自分自身の直感が最重要なのである。これから経営者になろうとしている人や、実際に重要な決断を下さなければならない立場にある人などは、この直感や感性を養う必要がある。ただ、机にしがみついていたり、損得勘定ばかりを行っていては、それらを養うことはできない。直感や感性などを養うには、優れた文学作品などの本を読むことが必要であろうし、また、海や山などの大自然と一体になれるところへ出かけて、大自然から学ぶ或いは吸収するということが必要なのである。
 かく言う私ではあるが、最近はなかなかに忙しく、自分の感性というものが少し鈍化してきたような気がする今日この頃なのである。既にしましまブックスも三年目になり、第二ステージへと突入している。そろそろまた大きな決断をしなければならない時が近づいているようである。無理やりにでも時間をつくり、自然のあるどこかへ出かけて、感性を磨きなおさなければ、と考えている。皆さんも、もういちど、直感や感性というものを見直してみてはいかがであろうか。