新橋にて

 新橋古本まつりも無事終了。天候にあまり恵まれず、これぞ露天の悲しさという感じであったが、ともかく無事に終わってホッとしている。
 新橋駅前に長い時間いると、人の動きや表情をようく見ることができた。さすがサラリーマンの街といった感じだが、疲れた感じの表情をした方が多く、競争原理を安易に導入した成果主義の会社などで働いている方はさぞかしお疲れなのだろう。最近の金融市場の混乱で、影響が出るのはこれからだろうから、次回新橋に行ったときは今にも増して元気の無い方が増えているのだろう。
 この商売にも無関係ではなく、本当に疲れていると本を読む気にもならないだろうから、当然、本が売れなくなる。今でさえ本が売れなくて、古書店の大半はギリギリの生活をしているのだから、これは死活問題である。皆で元気を取り戻さなければならない。新橋が元気になれば、きっと日本は大丈夫・・・・、とは安易な思考で、地方格差や所得格差の問題もあり、そう簡単にはいかない。ただ、新橋にいると、少しは今の日本が見えてくる気がした。