また今週から新橋古本まつり（新橋ＳＬ広場にて5月31日まで。雨天中止の場合あり）に出店しているのだが、店番をしながらフト思ったことがあり、（もの思いに耽るということは、暇で本が売れていないのである）数年前までは、自分がこのような場所で本を売るとは、全くもって思っていなかったということなのである。まだこの商売を始めていない頃は、偶然にこういった古本の催事に出くわすと、「あらま、こんなのやっていたのね」と古本を見ていただけだったのだが、まさか現在、自分が売る側にいようとは、全く予想していなかった。
　考えてみると、これは自分が独力で開業して、行動してきた結果なのであり、行動しなければ、何も起こらなかったに違いないのであって、積極的に行動することで、自分が思いもよらない未来が開けるのである。
　・・・・・そういえば、と私はまた、店番をしながら、もの思いに耽る。開業してから、色々な人と知り合いになって、お世話になった。素敵なお客様とも出会い、お世話になった。数年前までは赤の他人であり、行動の結果、知り合うことができたのであって、私が行動しなければ、赤の他人のままであったに違いないのである。このような素敵な方々と知り合いになれるとは、やはり数年前の私は予想もしていなかった。行動しなければ何も始まらないし、何も面白いことは起こらないのである。
　新しいことを始める、行動を起こすには、勇気が必要であるし、とてつもないエネルギーが必要なのであって、容易なことではない。しかし、現在は時代の変わり目である。ニュースを見ればわかるように、世界的な金融システムの崩壊、食糧危機など、来年、再来年と今よりも世界は過酷な状況になることは間違いないのであって、今から次の時代へ向けて行動を起こさなければ時代の激流に流されてしまうだけなのである。今必要なのは、次の時代に向けた行動であり、自分の人生の明日に向けた行動なのである。
　一歩踏み出すことにより、未来はまったく予想もしていないことが起こるものだと、妙に感心しながら、店番をしていたのだが、本が売れないことだけは、予想通りなのであった。