なかなか・・・

 ようやく、あの夏の暑い日が終わりを告げて、季節は涼しい秋になりかけているのだが、近年まれにみるほど、九月は本が売れない。夏の暑い季節は、本が売れない季節なのだが、涼しくなった今になっても、本が売れない。原因はわからない。インターネットを介しての通信販売の場合、その原因がわかりにくいことがある。打開策として、ミクロな原因を探し出して、そこから改善していくのが、常套手段なのだが、そのミクロの原因がわからないのだ。まっさきに言えることは、出品数の低下と商品の質の低下である。古本や古書などの中古商品は、常に良質のものを仕入れられる保障はどこにもなく、運まかせが多い、非常に不確定要素の多いものである。あまりいい本を仕入れられない時は以前から多々あり、これは改善のしようがない。いい本を仕入れられなければ、当然、出品数が低下する。また、この仕事は、一人当たりの労働力がある程度決まっており、自然と出品数も決まってしまう。また、無理ばかりしても、この仕事を継続できなくなってしまうので、改善のしようがないのが実情である。昨年と比べて、夏が非常に暑すぎたのが災いして、夏場、私はあまり体調が良くなく、七月から、あまり出品ができなかった。ここに原因があるのか、定かではないが一因はあるのだろう。しかし、量よりも、素敵な本を揃えること、即ち、取り扱い商品の質を高めることを目標に当社は仕入れをしているので、出品数の少なさを原因にしてしまうと、この目標は間違えているということになる。うむむ、そんなことはない、と今も思っている・・・・。
 そして、当然、マクロ的な要因も考えていかなければならない。ご存知、昨今の世界恐慌、インフレと物価高、そして給料は上がらず・・・と、本にまわすお金がないのも実情であろう。心理的な不安から、生活インフラ以外にお金を使わなくなっているのかも知れない。本が生活インフラの一部になっている人は、昨今あまり見かけなくなってしまった。だから、一食ぬいてでも、本を買おうという人はほとんど存在しなくなってしまったのではないか。これも時代の流れかどうか、その昔、紙芝居屋さんが壊滅して、貸し本屋さんが壊滅したように、いわゆる昔ながらの古本屋さんも壊滅してしまうのか、非常に恐ろしい話なのだ。
 十月になれば好転するということもあり得る。兎に角、今は涼しくなったので、少し体を休めたい・・・・。(夏に働かなくて、涼しくなる秋にも働かないとは酷い奴だと怒られそうだが、しかし、休んでもいられないのです。また、新橋SL広場で、催事があるのです。しましまブックスも出店します。平成20年9月29日~10月4日まで。雨天中止なので、ご注意を。そんな調子で、新橋の催事の準備をセコセコとしているわけであり、この連休も私は休んではいないのです。働いて、じっと手を見ているのです・・・・・)