気分がのらない

 今日の空は、雲ひとつ無く、青々として気持ちのいい秋の空である。気分も爽快となるはずであるのに、何か妙に気分がのらない。どうやら、朝起きる直前に見た夢に原因があるようだ。通常、嫌な夢を見ても、見ている直中では確かに嫌なのだが、起きるとその気分は直ぐに消滅してしまうものであるし、夢の内容は直ぐに忘れてしまうものである。しかし、今日の夢はどうもあまり良くない気分が未だに私に残っている。
 その見た夢とは、実際に生存している知人(もう、その人とも一年は会っていないなあ)が、私と結婚しているようなのである。そして、普通に生活している夢であった。その人は、かなりの異性から好かれる人であるので、妙に私は夢の中ではくすぐったいような、嬉しいような気分であったような気がする。しかし、起きてみると不思議にあまりいい気分ではなかった。
 何故、このような夢を見たのだろう。現実の世界で、夢の中に登場した人と、どうのこうのあったわけではないし、別段、気にかかる人でもない。夢は深層意識をあらわすことがあるらしいが、深層意識なのであるから自分ではわからない。それとも、何か天からのお告げ、もしくはその登場した人からのテレパシーみたいなものか? しかし、仮にそうだとしても、私に伝えたい内容がさっぱりわからない。現実でもお互いに結婚するような相手ではない。なんとも困った夢である。
 そのような夢を見たおかげで、起きた後はいい気分ではなかったが、結婚とか、これからの自分の生活について考えさせられた。しましまブックスを開業してまだ一年にも満たないが、本当にこのまま古本家業で生活して行けるのか? 気付けば、もう私も若者と言い難い歳になってしまった。今まで、行きあたりばったりの人生だった。これからのライフプランというものを真剣に考えなければならない。しかし、ライフプランと言ったって・・・・・。
 マイナスの思考ばかりが頭の中に浮かぶ。これは、いけない。オプティミストの方が人生はうまく行く。本当に嫌な夢を見たものである。したがって、今日は未だに気分がのらないのである。