不思議な縁

 世の中にはご縁というものがありまして、先日お客様のお宅へ古本の買取へお伺いした時の話です。買取のご依頼はお父様のご本ということでした。まずはとばかりに本を拝見しておりますと、ふと本棚の最上段に学校の卒業アルバムがあり、そのアルバムが私の母校のアルバムなのです。『あれ、ウチの学校のアルバムだ。しかし、お父様の本だとどうも年代が合わない。はて、どういうことだろう』と疑問に思いお客様にお尋ねすると、「それは、私が勤めていたとこのアルバム。教職だったんだよ」と教えてくださいました。私はびっくりして「あ、私、中学高校のOBです」なんと、母校の先生なのでした。一期生から教えていたそうで、私は直接教わったことはなかったものの、廊下ですれ違ったりしていたのでしょう。先生と私はお互いに不思議な縁もあるものだと、お互いに顔を見合わせて「そうとわかったらやり易いね」と微笑んだのでした。