古本屋しましまブックス床屋へ行く

 髪の毛が伸び、寝グセを直すのが面倒になったので、床屋へ行く決意をする。本当ならば、パーマなどをかけてお洒落なヘスタイルにしたいのだが、しましまブックスにはそのような贅沢は許されない。以前、自分で髪を切ったことがあったが、おかしなぼっちゃん刈りになってしまったので、それも憚りがある。仕方なく、千円でカットできる激安床屋へ行く。
 その床屋は料金が安い分、余計なサービスを排除し、10分で終了するというシステムをとっている。店員さんにどのようにカットするかを告げなければならないのだが、ヘアスタイルの用語がわからないので、「普通に切ってください」と告げる。そう自分で言ってみたものの、考えてみれば、「普通」とは一体どのようなカットなのだろうか。我ながら疑問に思う。けれども店員さんは、どのぐらいの長さにするかを私に訊いただけで、すぐに髪を切っていく。そして、終了。仕上がりは今までよりただ短くなっただけで、あまり変化がない。ちっともカッコよくなっていないのだ。カッコいい奴というのは、どのような髪型にしてもカッコいいもので、私は素が悪いから、どのような髪型にしてもどうせカッコ悪いさと諦める。それに、お洒落をする余裕がないのさ。
 「露地のほそみち (木版画十二枚入) 竹久夢二 編」が売れたら、自己満足したさに、青山あたりの有名な美容師にパーマでもかけてもらおうと思う。いつの日になることやら。