私は長い間文学を勉強してきており、論文やら、わけのわからない文章やらを書いてきたが、文学というのは常に孤独である。大学などでは共同研究などもないことはないが、大体がひとりで研究してひとりで論文なりを執筆する。それに比べて、音楽は独奏もあるが、セッションというものもあり、共同で演奏することが多い。その姿を見聞きしていると、音楽をする人がとても羨ましくなった。見ていてとても楽しそうなのである。本以外にも何か広がりを持ちたい。音楽もできる古本屋なんて素敵なことだと自分で勝手に思い込み、また、たまたま中古屋の決算セールで安くポケットトランペットが売られていたので、衝動的に買ってしまったのである。
　早速、音を出すも、きれいな音が出ない。いくら吹いてもきれいな音が出ない。スクールに通うという手もあるが、私にとっては月謝が高く、そのような贅沢はできない。独学しかないのであり、セッションなどは夢のまた夢。結局当分はひとりで練習しなければならない。続けばよいのだが・・・・・。