出張買取で気づいたこと

 最近、買取の依頼がすこぶる多い。お客様にお売りしてもらえなければ、古本が売れないわけであり、大変に感謝している。出張して買取に行く機会も増えてきており、その時の楽しみは、お客様に直接お会いできるということである。
 そこで気づいたのだが、当店の取扱い本は基本的に、なにやら難しい本が多く、その為か、買取依頼の本も難しい本が多い。みなさん、教養のある方ばかりなのである。教養があるから難しい本を読むのか、難しい本を読むから教養があるのかわからないが、みなさん、とても礼儀正しく、ご丁寧な方ばかりなのである。出張買取に行って、不快な思いをした事は一度もない。逆にこちらが恐縮するほどである。私が経験した範囲内では、難しい本を読む方は、基本的に人格者であることが多い。読む本で人を差別するつもりはないが、どうやらそのようなのである。