あえて書こう

この日記のような、そうでないような異様な書き物をダラダラと始めてから、かなり日数が経過した。最近、ここにもつい記してしまったある女性から、不意に抗議をいただいた。自分のことが書かれているではないか、という。一応は日記形式で続けいるこの書き物であるが、日記には二つの種類がある。一つは、誰にも目に触れさせないことを前提として書き綴る日記であり、もう一つは、ある程度誰かが読むことを前提にしている日記である。
文学を研究する場合、特に作家の日記を研究する場合は、研究対象となっている日記がどちらの性質であるかを見誤ると、研究も誤ったものとなってしまう。研究とは関係ないが、この「しましまな日々」は一応、誰かが読むことを前提にして書いているものであり、影響がありそうな特定の個人を出す場合は、イニシャルを使うなど、どこの誰か特定できないようにしている。しかし、その女性は自分のことが書かれていることが嫌なのだという。そう言われてしまうと、女性にはとてつもなく優しいしましまブックスは、意気消沈、最近は自分以外の人を極力登場させないようにしていたのである。
そもそも、この日記を始めたのは、誰かに読んでもらおう、というそのような大胆な趣旨ではなく、一般のホームページは一度完成させてしまうと、あとは放置されている、いわば、休眠サイトがあり、そのようなサイトと思われないように、しっかりと毎日稼動しているサイトであるとの証明をするために、日付を入れて書き始めたのである。どこの馬の骨だかわからぬケチなしましまブックスの日記など好き好んで読む人など皆無であろうと思っていたのである。
今日、今年最後の出張買取へと出かけたが、そこのお客様に、「いつも日記を読んでいます、とても面白くて、楽しみにしています」と言われ、最近はそのようなご意見をいただくことが多く、当初思っていたことと違い、着実に読者が増えている。いや、かなり増えている。私はプロの物書きではないが、そのようなお客様の期待に答えるために、これは書かねばならない。だからあえて書こう。
12月25日に横浜にあるマリンタワーと氷川丸が営業を停止するとのことで、これは行かなければならないと思い、知人関係に誘いをいれようとしたが、思えば平日である。暇な人はいないかなと考えていたら、平日でもお暇なMちゃんがいた。クリスマスだとしてもきっと関係がないだろう。早速、電話をすると、暇なのだけど、体調が悪いという。それは心配、どういう具合かと尋ねると、肋骨にヒビが入っているのだと言う。「パッション屋良」というお笑い芸人がいるが、そのパッション屋良の持ちネタである、胸部を思いっきり自分で叩く「やらやらバンバン」という芸を鏡の前で真似をしていたら、思いっきり叩きすぎてしまって、肋骨にヒビが入ってしまったのだという・・・・・。その姿を想像すると笑うに笑えなく、Mちゃんを誘うのを私は諦めたのだった。