不浄の不条理作戦
お正月にカゼをひいてしまったが、また最近になって、喉が痛くなり、そして鼻水がジャブジャブと流れ出して止まらなくなった。私は花粉症ではないので、明らかにカゼである。まだ二月だが、今年に入って、一ヶ月に一度はカゼをひいてしまっている計算になる。お正月のカゼは、年末の無理が響いてのことだろうと思い、今年は無理をしないで仕事をしようかと思っていたのだが、無理をしないと生きて行けないということがわかり、結局無理をしている次第である。しかも、確定申告の時期でもあり、締め切りがあるものだけに、カゼをひいても休むわけにはいかないのである。
これは身体に抵抗力がなくなっているのかも知れず、抵抗力をつけようと色々と思案していたら、予防注射というものがあることに気づいた。予防注射とは、予防しようとしている病気の菌を身体にいれて、ある程度の免疫をつけようとするものである。これを応用して、私はカゼ予防大作戦を立案したのである。この作戦は、毎日手を洗わないで過ごして、これで免疫をつけるというものである。この作戦名を、「不浄の不条理作戦」と命名した。
作戦開始早々、Aちゃんからディナーのお誘いがあり、ノコノコと指定されたレストランまで出掛けて行った。おしぼりが出されても、私は手を拭こうとしない。それを見ていたAちゃんが、
「手に怪我でもしているの?」と言った。
私は誇らしげになって、Aちゃんに本作戦の概要を説明した。すると、
「じゃあ、さっきトイレに行った時も・・・・」とAちゃんは訝しげに言った。
「この作戦に例外はない」と私はきっぱりと言った。
「不潔!最低!」とAちゃんは突然に怒り出した。相手が怒り出すと私も無性に腹が立ってきて、
「馬鹿者!俺がまた三月もカゼをひいて、確定申告に間に合わなかったらどうするんだ。仕事が出来なくなったらどうするんだ。今日もどうせ、俺に晩飯代を払わせるつもりなんだろう。俺がカゼをひいたら、それすら払えなくなるんだ!」
「あんたみたいな最低な男に払ってもらうつもりは毛頭ない!この、古本屋め!」
「おい、今なんと言った?俺を馬鹿にすることはいいが、古本屋を馬鹿にすることは許さないぞ」
私は興奮のあまり、鼻水がダラダラと流れ出していることにも気づかずに、口ゲンカを続けたのであった。そのため、さらにカゼが悪化したことは言うまでもない。
これは身体に抵抗力がなくなっているのかも知れず、抵抗力をつけようと色々と思案していたら、予防注射というものがあることに気づいた。予防注射とは、予防しようとしている病気の菌を身体にいれて、ある程度の免疫をつけようとするものである。これを応用して、私はカゼ予防大作戦を立案したのである。この作戦は、毎日手を洗わないで過ごして、これで免疫をつけるというものである。この作戦名を、「不浄の不条理作戦」と命名した。
作戦開始早々、Aちゃんからディナーのお誘いがあり、ノコノコと指定されたレストランまで出掛けて行った。おしぼりが出されても、私は手を拭こうとしない。それを見ていたAちゃんが、
「手に怪我でもしているの?」と言った。
私は誇らしげになって、Aちゃんに本作戦の概要を説明した。すると、
「じゃあ、さっきトイレに行った時も・・・・」とAちゃんは訝しげに言った。
「この作戦に例外はない」と私はきっぱりと言った。
「不潔!最低!」とAちゃんは突然に怒り出した。相手が怒り出すと私も無性に腹が立ってきて、
「馬鹿者!俺がまた三月もカゼをひいて、確定申告に間に合わなかったらどうするんだ。仕事が出来なくなったらどうするんだ。今日もどうせ、俺に晩飯代を払わせるつもりなんだろう。俺がカゼをひいたら、それすら払えなくなるんだ!」
「あんたみたいな最低な男に払ってもらうつもりは毛頭ない!この、古本屋め!」
「おい、今なんと言った?俺を馬鹿にすることはいいが、古本屋を馬鹿にすることは許さないぞ」
私は興奮のあまり、鼻水がダラダラと流れ出していることにも気づかずに、口ゲンカを続けたのであった。そのため、さらにカゼが悪化したことは言うまでもない。