無意識

 何かをしながら、他のことを考えていることは誰にでもあることだと思う。ただ、それが無意識であり、ふと気がついたら他のことを考えていたらしいのだが、何を考えていたかは、覚えていない。そのような状態が私には多々ある。その間、現実には何をしていたか、それすら覚えていない。よくあるのが、何かを考えていて、携帯電話を何処へ置いたか忘れてしまい、探し出すのに苦労する。出かけなければならない時にかぎって、出かける用意をしながら、何か他のことを考えているらしいので、さっきまで持っていた鍵を何処へ置いたか忘れてしまい、探すのに時間がかかって、待ち合わせに遅刻しそうになる。いや、正直にいうと、遅刻してしまう。そのようなことがありながら、せめて、何を考えていたか覚えていれば、まだ救われるものの、本当に覚えていない。ただ、何事か考えていたようだということは薄らとわかるのだが、それ以外はまったくわからない。意識が飛んでいる状態のようなのだ。
 もし、その間の考えていたことが、全てわかるのならば、私の人生は大きく変わるような気がしてならない。それぐらい、重大で重要なことのような気がしてならないのだ。