文学不振

 当店で売れた本を集計すると、文学関係、特に小説がほとんど売れていない。悲しい限りである。売れ筋は、哲学・社会学・心理学関係である。文学離れが進行しているとはいえ、本当に小説が読まれなくなってしまったのだろうか。いわゆる少し前の作家の作品は興味がないのだろうか。他にも原因があるのだろうか。
 考えられることは、小説は比較的どこの本屋でも買えるので、わざわざオンライン古書店では買わないということである。しかし、絶版本は古本屋でしか買えないのであり、それだけは売れてもよいはずである。やはり、小説が読まれなくなってしまったのだろう。
 現代は、高度消費社会であり、物質文明の時代である。ところが、あのバブル崩壊以降、我々は物質文明に限界を見たのではないか。大量生産、大量消費する時代は終わりつつある。リサイクルブームや、ハイブリッドカーやクールビズに代表される省エネなどは、その証拠ではないか。決して、不景気だけが原因ではないように思える。そして、次に到来するのは精神文明の時代のはずである。物資の充足が人間を幸福にするのではなく、精神の充足こそが人間を幸福にするのである。
 現在はその過渡期にあり、未だ文学不振が続いているが、必ず近い将来、文学復興がなされるはずである。何十年後、何百年後になるかわからないが、その日まで、しましまブックスは売れなくても耐えねばならない。体力が続く限り・・・・・。