カーナビ

 私は、カーナビがあまり好きではない。何故なら、ナビを見ていると、運転が注意散漫になり、意外とあぶない。音声案内も、運転中は何か他のことを考えながら運転していることが多々あるため、聞き逃すことが多い。
 極稀に、出張買取の時、M君に手伝ってもらうことがある。そういった場合は、彼にナビ役をしてもらう。地図を片手に、さらにはカーナビを睨みながら、彼が進路を私に指示するわけである。ところが、彼は左利きのためか、右と左の区別が混乱して、瞬時に左、右の区別がつかないらしいのだ。
「おい、次はどっちだ」と私が問うと、彼は、
「こっちです。こっち」と言う。
「おい、こっちじゃ、わからないだろう! 右折か左折かどっちだ!」
「だから、こっちです」
 そんな問答を繰り返して、彼の方を見ると、指で右の方向を指して、「こっちです。こっちです」と言っている有様なのだ。彼にナビを任せると、結局、彼の方をいちいち見なければならず、カーナビと変わらないことになってしまうのだ。嗚呼、全自動で目的地まで行ってくれる、夢の車があればいいのに・・・・。