儚い休日

 知っている方は、知っているのだが、数週間前から毎週水曜日を定休日とした。これは、お正月明けに体調を崩してしまい、一週間に一度ぐらいは、身体を休ませなければならないと思ったからなのだ。
 平日の休みというのは、日曜祝日に比べれば、何処へ行くにも空いていて都合がいいのだが、周囲の友人達とはどうしても時間が合わない。だから、常に単独行動を強いられることになる。単独行動の場合、メリット、デメリットがあり、デメリットからいえば、食事がつまらない。せっかく美味しい食事を食べていても、独りでボソボソと食べていては、なんとなく面白味に欠けてしまう。逆にメリットと言えば、本が読めるということである。何処へ行っても、食事をしながらでも、喫茶店にいながらでも、本が読める。これが、誰かと一緒だと、そうともいかない。
 休みの日は、いっぱい本を読もう、そう思っていたのだが、普段から就寝時刻がかなり遅いため、朝起きたら既に午後二時ぐらいになってしまっている。それから、ふにゃふにゃしている間に、いつの間にか夕方になってしまい、ちょっとテレビを見たりしていると、あらまあ、夜になっている。そして、意外と家では、集中して本を読むことができない。
 そのようなわけで、結構最近は、夕方ぐらいにお風呂屋へ出掛けることにしている。お風呂屋といっても、最近ではスパといわれている施設である。ここには、仮眠できる場所もあり、本を読むのには丁度いい。お風呂に入ってから、仮眠スペースで本を読み、また、お風呂に入っては本を読み・・・・、それを繰り返す。そして、いつの間にか眠ってしまい、気が付くと、結構時間が経過していて、慌てて帰り支度をする・・・・。
 そのようにあまり外部と接触しないで過ごすと、なにか世の中から隔絶されたような感じがして、ふと、少し寂しい感じがする。だから、帰りがけに、つい一杯呑んでしまう。立ち飲み屋で呑むこともあれば、知り合いのお店で呑むこともある。そして、したたかに酔いながら、眠りに就き、休日が終わってしまうのだ。