「わたし、もう絶対に泣かないもん!」こう書くと、なんだか女の子の台詞のようだが、実は私の心の台詞である。それが、また泣いてしまったのである。恥ずかしいと思って、ここには書くまいと思ったが、ネタもないので、つい書いてしまうのであり、なんとも言えず私の悪いところである。
 昨日、夜がとても暇だったので寂しくなって、(私は結構寂しがりやさんなのである)独りカウンターでお酒を飲んでいると、いつの間にか飲み過ぎてしまい、恥ずかしながら独りカウンターの中で酔っ払っていたのである。呑むときは呑む。いつものような気もするのであるが、とにかくパソコンに向かって仕事をする気も起こらなかったのであって、呑むことしかなかったのである。
 ふと、そういえば先日の5周年記念パーティーでは、バタバタとしてしまい、参加してくださった方と満足に話もできなかったなあと思い、その時に僅かに撮影した写真を眺めていたら、ここに写っている素敵な方々は、誰も気づきもしないような、こんなケチでちんけな店に、そして、これまた、誰も相手にしないような、わけのわからない私の為に、普段から、そして、このパーティーにも、貴重な時間を割いてまで笑顔でお越しくださったわけだと考え、嗚呼、誰も相手にしないような私とこの店に、好んで来てくださるなんて! そう考えたら、言葉では表現できない程の感謝の念と感動が心の中に込み上げてきて、いつの間にか泣いていたのである。そして、遠方の為、いつも通信販売で本を買ってくださり、その際、ご丁寧なコメントをくださるお客さんのことなども想い出して、また涙が出てきたのである。
 創業から5年が経過したが、コーヒーとお酒が飲める古本屋というお店をつくってからは、まだ一年も経過していない。その間、「古本を扱っているのか、何をしているのかわけがわからない。気味が悪い」「どう考えても、この地でこの店が繁盛するとは思えない」「何を考えて、店を出したのか理解できない」など、嫌味を言われたこともあった。また、私は生まれつきマインド・リーディングが出来てしまうので、直接言われなくても、相手が何を思っているか、色々なところから分かってしまうのである。その度に、「わたし、もう絶対に泣かないもん!」と思って、怒りも寂しさもやり過ごしていたのである・・・・。そのように思われていながらも、とにかく好んで来てくださる方がいる。応援してくださる方がいる。そう考えるとまた、涙が出たのである。
 私は、お酒を呑んで泣いたことは生まれて一度もなかった。決して泣き上戸ではない。むかしも、そして今も。嗚呼、恥ずかしい。このようなことが書けるのも、実はお酒を呑みながら書いているからである。もう二度と恥ずかしいことは書くまい。この雑文は、明日になれば消去しているかも知れない。