病人と酒を飲む

 知人が病院から一時退院したというので、昼飯でも一緒に食べようということになり、会いに行った。見れば、人工肛門をぶる下げており、また、7月ぐらいに再手術を行うという。しかし、健康な人と変わらぬ元気さであり、彼は中華料理屋で昼からビールを注文した。驚いた私は、酒を飲んでも良いのかと尋ねたが、大丈夫であるという。病人が昼から酒を飲んでいるのに、健康な私が飲まないわけにはいかない。本当は、小一時間ぐらい昼飯を食べて、その後帰宅して仕事をしようと思っていたのだが、予定が大幅に狂ってしまった。
 そして、いつの間にか杯を重ね、気づけば夜の7時になっていた。昼間から7時間も中華料理屋で酒を飲んでいたのだ。完全に私は酔い、知人もかなり酔っていた。おそらく、入院生活で相当のストレスが溜まっていたのだろう。
 酔った私は、先日と同じように電車を乗り過ごしたが、時間が早い為に、戻る電車があったので、それに乗り換えて、なんとか帰宅できたのであった。