焼肉屋のランチセット650円

 昼ごろ、たまたま焼肉屋の前を通りかかると、「ランチセット650円」という看板が出ていた。焼肉なんて、誕生日以外には見たことがないのだが、このぐらいの値段であれば、ケチな古本屋しましまブックスでも、何のお祝い事がなくても焼肉を食すことができる。躊躇することなく、お店に入る。そして、売り切れる前に一刻も早く注文せねばと、メニューを見ることなくランチを注文。「ふっふふ、とうとうこの私も昼間から焼肉が食べられる身分になったか」と、ひとりでほくそ笑んでいると、ランチが運ばれてくる。テーブルの上に、キムチ少々とナムル少々、そして、丸い器に肉の破片が少々混ざったクッパ・・・・、あれ、クッパ! 肉は一体? メニューを手に取り、仔細に見てみると、クッパランチと書いてあるではないか。嗚呼、ランチとはクッパのことだったのだ。焼肉相場に対する私の認識があまかった。
 650円でクッパを食べるのであれば、松屋のビビン丼390円の方が良かった・・・・、と後悔の念が私の身体を駆け巡り、クッパの味などよくわからなかった。だからケチな古本屋は嫌だよ、まったく。