図書館と桜木町

 昨日は、借りていた本が返却期限をむかえてしまったので、夕方に野毛にある横浜市立中央図書館へ行く。古本屋といえども、本を借りるのである。この図書館はJR桜木町から徒歩10分、京浜急行日の出町からも同じくらいの距離にあり、交通の便がとても良く、また、みなとみらい地区にも近い。図書館の帰りは、臨港パークなどまで歩いて、海を見ながら散歩もできるのである。そして何よりも蔵書量が豊富であり、しかも国会図書館のように規則が厳粛ではないので、気軽に立ち寄ることができ、私は学生の頃から、学校等の図書館は利用せずに、この図書館を利用している。とにかく、愛用している図書館なのである。
 本返却後、桜木町でYちゃんと一杯呑む約束をしていたので、桜木町駅まで歩く。しかし、薄汚い古本屋しましまブックスと一緒に酒を呑んでくれるとは、なんという殊勝な人であろうか。わざわざ、桜木町まで来ていただくのであるから、ぴおシティの地下にある立ち呑み屋では失礼であろう。どうしようかと思案しているうちに駅に着く。この街は、駅を挟んで、ガラリと雰囲気が変わってしまう。図書館のある野毛方面は昔ながらの下町の雰囲気であり、その逆側が、ランドマークタワーなどのある、人工美のみなとみらい地区である。そして、みなとみらい地区を見て、フッと気づいた。ビルなどが色とりどりの装飾を施している。野毛とは一変、街がクリスマス気分になっているのである。こりゃまた、貧相な古本屋しましまブックスには不似合いの場所である。しかし、いくら貧乏していても、心はジェントルマンのこの私、そして、勝手知ったる桜木町であるから、(これでもサラリーマンの頃はちょっとはお洒落な店で呑んだりしていたんだい!)まあ、しっかりとした店で呑んだわけである。
 そして、少し歩いて二件目へ。私が思ったより距離があったかも知れない。寒い中を歩いて行くも、満席で入れず。平日で満席になるとは、この私も知らなかったのである。昔と比べて随分とこの街も変わってしまっていた。空くまで待っていたら、おそらくは閉店になってしまうので、また引き返す。寒い中を歩かせてしまい、しかも、店に入れずで、そのあたり、やはり威風堂々としたジェントルマンになれない私なのであり、間の抜けた古本屋の私なのである。