クリスマスの想い出

 今年のクリスマスは、23・24・25日と三連休である。しかしながら、クリスマスとは無縁のしましまブックス。古本をクリスマスプレゼントで贈るような粋な人はほとんどいないであろう。
 クリスマスプレゼントで思い出すことがある。私がまだ大学生の頃、当時付き合っていた人にクリスマスプレゼントを贈らなければいけない状況になってしまったことがある。学生の身分であった私は、高価な装飾品などは贈ることができない。困り果てて友人に相談すると、贈り物というのは、気持ちの問題であり、気持ちがこもっていれば問題はないと言うではないか。ごもっともである。素直で単純な私は、その言葉を真摯に受け止め、心をこめて手作りのプレゼントを拵えた。一生懸命に紙粘土で埴輪を作ったのである。置物としても最適であり、一緒に添い寝してもとてもかわいらしい。我ながら見事な出来栄えであった。
 クリスマスの日に、その埴輪を彼女に渡すと、「洒落でしょ、洒落でしょ」としつこく言うので、「これがプレゼントだ」と私が言うと、彼女はその場で泣いてしまった。「俺の死後、この埴輪はとても高い値段がつくぞ」と私は言ったが、彼女はいつまでも泣いていたのである・・・・。
 クリスマスはまったくいい思い出がないのである。去年はまだサラリーマンをしており忙しく、仕事をしていた記憶しかないのであり、その前はもう忘れてしまったが、いい印象がまったくないのである。そして今年は・・・・、おそらく古本の買取が入るか、若しくはパソコンの前でせこせことキーボードでも打っているのであろう。ああ嫌だ。