古本の一年

 私にとって、この人生のうちで大切なものは古本。そして人との出会いである。このふたつを大切にして生きている。今年は古本関係の事項をとにかく最優先で生活してきた。そのおかげか、古本を契機にして、いろいろな方と出会うことができた。もちろん、古本以外のところで素敵な方と出会うこともできた。人との出会いは、人生の中でかけがえのないものである。絶対にお金では買えやしない。ケチで貧乏な古本屋でもこれだけは金持ちの人間に負けないのである。
 そういった意味で、今年は貧乏していても、よい一年であったと思う。皆様には大変お世話になり、感謝している。来年もまた、ワクワクするような出会いがあることを、そして少しでも古本が多く売れることを祈りつつ、残り僅かとなった今年の寒い冬を過ごしている。