祖父のこと

一月五日、祖父が永眠致しました。その際、皆様には、御懇切な御弔辞を賜り、且つ御丁重な御香料を辱うし、まことに有難うございました。お陰様で、葬儀は無事に執り行うことができました。
祖父へ生前お寄せくださいました御懇情に対しまして、あらためて御礼を申し上げます。


 祖父は生前、運動具店を経営していて、自分の親が亡くなった時も店を閉めなかったそうで、まさに商売人そのものであった。その話を聞き、私もその精神を見習おうと、葬儀の間も寝る時間を削って新着本をアップし、発送もした。オンライン古書店だからこそできることではあるが、しましまブックスを営業し続けたのである。その為、睡眠時間が二時間から三時間ぐらいになってしまったが、葬儀に際しては、喪主である伯父が一切を取り仕切っていたので、私には大した仕事もなく、また年末からそのぐらいの睡眠時間が続いていたので、慣れてしまったせいか、体が辛くなることはなかったのである。
 生前、祖父には関東大震災の体験や帝国海軍での体験、戦後に商売を始めた頃のことなど色々な話をしてもらった。まさに激動の時代を生き抜いた人であった。
 祖父と過ごした時間が今更ながら懐かしく思え、いつも居ると思っていた人が居なくなるというのは寂しいことではあるが、商売人であった祖父に少しでも近づけるよう、また、祖父に対するせめてもの追善になるよう、これからも古本業に精励して行きたいと思っている。