さて、どうする古本の商い

 さてさて、時代もいよいよ、本格的な変革の時にさしかかっている。もうこれは説明するまでもないのだが、古本の商いも、うかうかとしていられない。
 古本の変革といえば、新古書店といわれている大型フランチャイズ店の台頭とその拡がり。これは頭打ちの気配があり、本から雑貨や電化製品の中古ショップの併設へと変わりつつある。古本だけでは難しいということだろう。さらには、古本販売とカフェや飲食店を併設する複合型商売もポツポツと出始めており、古本販売専門店とカフェ専門店が一緒に隣り合わせで運営する、コラボレーション営業も展開されている。
 そして、ITの普及によるEコマース、所謂インターネットでの販売。これも飽和若しくは淘汰の時代となってしまい、インターネットは売れるという時代はとっくのとうに過ぎ去った。もう新しくもなんともないし、労力にみあうだけの報酬があるかと問われれば、とても難しい。最近の動向を見ると、当社のような、生活がかかった商売というよりも、定年後の趣味の延長ではじめる方や、副業よりさらに一段軽い「副副業感覚」で生活がかかっていないところで開業するケースが目立っている。だから辛うじて成り立っていると言うことができる。
 さらには、図書の電子化。著作権が消滅したものが、電子化されてネット上で自由に読むことができ、国立国会図書館では、ネット上で自由に読める「近代デジタルライブラリー」の提供数が10万タイトルを超えたという。先ほど試しにネット上で閲覧してみたが、写真画像で提供しているので、読み難く、目が疲れるような気がして、長文を読む気にはなれなかった。やっぱり、紙の媒体の方がいい・・・・。けれども、とりあえず読むことだけが目的であれば、古本を買わなくとも、家にいながら、あるいは外出先でもネット環境にある場所であれば、どこからでも読めてしまうのだ。また、携帯小説といわれる携帯電話で読む小説や、新刊書籍や雑誌などもネット上で読めるように電子書籍にして出版するケースも目立ち始め、いわゆる「本」という媒体を含めて売る商売から、本の中身である「情報」だけを売る商売にシフトを変えつつある。そうなってしまえば、本の売り買いなど消滅してしまい、あっという間に古本の業界は壊滅してしまう。まだまだ先などと言っていると、本当に取り残されてしまう。古本の商いを取り巻く環境は日に日に厳しくなっているのだ。
 さて、だからこそ、どうするこれからの古本の商いということになるのだけれども、ちょっと文章が長くなってしまったので、またそれは次の機会に。