カゼをひいて考えたこと

 年末年始は忘年会やら新年会で、つい飲みすぎてしまって体調が悪いのが慣例となっているしましまブックス。例外にもれず、新年から体調が悪いのだが、今年は正月早々にカゼになってしまっての体調の悪さなのである。鼻や喉だけならまだしも、今回は熱にも襲われて、身体に力が入らない。ありがたいことに元日から開いている薬局があったので、薬やユンケルなどをガブガブ飲んでみたが、あまりよくならず、正月はずっと臥せっていたが、発送だけは、元日より行っていた。現在も体調は万全ではないが、自営業は仕事をしなければ収入がなくなってしまうので、このように仕事をしている。
 考えて見れば、年末は雑務で多忙を極めて、一日の睡眠時間が平均三時間といったところであった。かなり無理をしていたのが祟ったのかも知れず、今年は無理をしないで仕事をせよ、ということなのかも知れない。最近よく、「スローライフ」「スロービジネス」という言葉を耳にする。無論、自分の生活や仕事もそのようにありたいし、実践したいと思う。けれども、社会構造と日本人がそのような生活様式に対応していないのであり、特にイーコマース、インターネットにおける物販では、注文受付からお届けまで、素早さを要求されるサービスであって、一人で「スロー」を実践すれば、おそらくは商売が成り立たなくなってしまう。
 もし可能性があるとすれば、時代がデフレからインフレの時代へと変わったことによって、各業界、量から質へと転換を迫られているということである。書籍にとっての質とは、おそらくは書籍の内容、そこに書かれている中身ということになろう。ただし、必要な人にとっては、それが如何に中身の薄い書籍であったとしても、大切な書籍に他ならないのであって、一概に自己判断で質を決められないという難しさがあるが、そのむかしから古書店は、店主の判断で販売する書籍や値段を決めていたところが多分にあり、セレクトショップ的な色合いが強かったと言っても過言ではなく、量から質への転換を迫れている今、この店主の判断が重要になってくることは間違いないであろう。機械的に安い値段でなんでも売ればよかった時代は過ぎ去り、本当の意味で人間力が試される時代になったのである。